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2025年 表紙開き

毎年の年明けに楽しみにしていること。 今年の表紙開きに相応しい一冊は?と

未読の書籍(日本帰国時に購入して貯め置いているもの)の

何冊かを本棚の前の床に並べて

これかな?こっちかな?と慎重に選び出す作業。

毎年行っているうちに

ちょっとした年初めの儀式のようにもなってきた。

 

そして今年 選ばれた一冊は


ぼくはあと何回、満月を見るだろう 坂本龍一

How many more times will I watch the full moon rise Ryuich Sakamoto



去年11月の一時帰国時は時間がなくて

毎回楽しみにしている本屋での長居が出来なかった。


最後の足掻きで、

成田空港の出発ロビーにある小さな書店に足を踏み入れると

たまたま最後の一冊が本棚に挟まれていた。


銀色で印刷された表題が目に留まる。


既に表紙や本の角に擦れた跡や傷もあるけれど

迷わず手にしてしまう。


 

2023年3月28日逝去


既に2年近くになる


教授の訃報を聞いた時

自分が思っていた以上の寂しさと喪失感に襲われた。


小学生時代にYMOのライディーンに合わせて

体育の授業で踊ったこと

CDも何枚か持っている


映画のサウンドトラックの多くは

映画以上のインパクトで記憶に深く刻印されている


それなのに

ものすごいファンであったという自覚はなかった


自覚がなかったということに気が付いて

今更驚いた

訃報から半年ほどは教授が残した音楽を聴き続けた


こんなに長く教授の音楽をかけていたこともないくらい

 

表紙を開くと

黒い紙の下に


タイトル ぼくはあと何回、満月を見るだろう

その脇に添えられた一枚の版画


ススキが繁る草原にも見えるし

北の森の冬景色にも見える

その上に浮かぶ『満月』


再びタイトル

ぼくはあと何回、満月を見るだろう


続く目次を読む

訃報に触れた時の喪失感が蘇る


もう一度 タイトル

ぼくはあと何回、満月を見るだろう


そして

第一章の題と

教授の近影が一枚


ベルトリッチとボウルズ


から始まる


 

読み始めから

なんでこんなにも

胸が詰まるんだろう


坂本龍一の存在は

私にとっていったいなんだったんだろう

そして肉体を離れた教授の存在が

今になってより濃く近づいてくる


そんな感覚をもたらしてくる一冊が

2025年の表紙開きになりました。


 

最後までお読みいただきありがとうございます。


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